より良く、より豊かに暮らす僧侶社会:調査レポート(投書)
国民総幸福度(GNH)指数と主観的ウェル-ビーイング(SWB)スコアを2022年のGNH調査と比較すると、僧侶社会は生活のいくつかの重要な分野で一般の人々よりも大幅に優れていることが示された。
調査レポートのデータは、先月ブータンおよびGNH研究センター(CBS)によって発表された。調査では、さまざまな観点から、GNH指数が0.856、繁栄の尺度(FS)の平均スコアが7.17、生活満足度スコアが7.23、幸福度スコアが7.6であることが明らかになった。これらの指標は、0~10のスケールで評価され(GNH指数は0~1の範囲)、強いウェル-ビーイングを反映している。
それぞれの人間的繁栄の尺度で高いスコアがあることが明らかになった。これは、僧侶社会の人々が充実した繁栄した生活を送っていることを示している。それぞれの人間的繁栄の尺度で高いスコアが出ていることは何を示しているのか。それは、僧侶社会の人々が幸せで繁栄した生活を送っていることを示している。
人間の繁栄は、世界中でますます注目を集めている概念であり、それを測定する方法はさまざまである。
この報告書「ブータンの僧侶社会における人間の繁栄」では、CBS は三つの主なアプローチ、つまり GNH 指数、繁栄の尺度(FS)、主観的ウェル-ビーイング(SWB)を使用して調査を行った。テンプルトン世界慈善財団の資金提供を受けたこの報告書では、全国の僧院に居住する 1,612 人の個人 (僧侶 (83.3%)、尼僧 (9.8%)、ゴムチェン(在家僧) (7%)) にインタビューを行った。なお、上記の FS は主観的幸福の一部と見なされ、その逆の意味もある。
SWB は、生活満足度と幸福度スケールのみを引用し、0 が最も不満足または不幸な生活を示し、10 が最も満足または幸せな生活を示し、0 から 10 までのスケールで自分の生活を評価するよう要求する。データによると、92.2% 以上の人が 0 ~ 10 の尺度で 5 以上の満足度を報告し、86% が 5 以上の幸福度を報告している。
僧院教育システムに関する重要な疑問を提起するものとして、創造性、好奇心、判断力、学習への愛、および視点に関連する知恵に関して参加者の平均スコアが最も低かった (6.8) ことは注目に値する。より高度な現代教育は、繁栄の増加と関連している。もう一つの興味深い発見は、ゴムチェンは僧侶や尼僧に比べて睡眠時間が長いことである。対照的に、尼僧は平均してより短い睡眠時間をとっている。
社交時間に関しては、行動パターンを理解するためにデータを収集したところ、僧侶としての修道生活を送っている人々は、ソーシャルメディアの使用状況からわかるように、社交的な交流を行っていることが明らかになった。最も広く使用されているソーシャルメディアは、使用率の順に、フェースブック(80.8%)、メッセンジャー(79.8%)、ユーチューブ(66.4%)、ウィチャット(60.5%)、テレグラム(58.4%)、キックトック(40.5%)、インターグラム(29.4%)、ウァッツエイピピ(27.8%)である。
参加者の大多数は、5つ以上のソーシャルメディア・アカウントを所有している。これらのプラットフォームを最も積極的に利用しているのは僧侶で、次にゴムチェンが続きます。回答者の半数以上が、毎日1時間以上ソーシャルメディアを利用している(54%)。ほぼ30%の人が、毎日30分から1時間ソーシャルメディアを利用している(28.8%)。
SWBと健康の関係では、健康状態が悪いか普通であると回答した人は、10人に1人程度であった。しかし、回答者の約4分の1は胃炎、高血圧、肥満、糖尿病などの病気を報告している。胃炎の有病率は尼僧の間で高く(25.3%)なっている。修道院コミュニティではライフスタイルの変化を促進することが推奨されています。調査によると、身体活動に関しては回答者の30%が不活発で、尼僧の50%以上が不活発であると報告されている。
修道院に居住する人のうち、ベジタリアンは 10 人中 3 人程度 (30.4%) に過ぎず、全国平均は 13.9% である。尼僧は、僧侶 (28.7%) やゴムチェン (17.9%) よりもはるかにベジタリアンが多く、尼僧の約半数 (51.9%) を占めている。「これは、宗教的または精神的な信念や習慣が食事の選択に影響していることを示している可能性がある」
周囲で何が起こっているかを知るという観点からの政治参加は、主に友人とのチャット、インターネット、テレビを通じて行われている。修道院コミュニティの 70% 以上は新聞やラジオを使用していない。僧侶の半数以上 (57.1%) は毎週インターネットを使用し、友人 (51.2%) と国内で何が起こっているかについてコミュニケーションを取っている。
差別に関しては、回答者の約 9% が差別を経験したと報告しており、最も一般的な差別は体格と民族に対するものであった。尼僧はこうした差別を高い割合で経験している(10.8%)。調査では、特に僧侶コミュニティの若いメンバーに対して適切な対策を実施するよう勧告している。
僧侶コミュニティの社会的態度を分析する試みとして、調査では、回答者のかなりの割合(71.2%)が麻薬中毒者の隣に住みたくないと答えており、ほぼ3分の2(65.3%)が大酒飲みについても同様に答えている。これは、酩酊状態によって引き起こされる反社会的行動の危険性によるものかもしれない。約43%が、異なる宗教の人々を隣人として望まないと答えている。同様に、38.2%が同性愛者を、27.3%がHIV/AIDS患者を、23.5%が移民を隣人として望まないと答えている。
尼僧は平均して、男性よりも同性愛を容認している。僧侶は平均して、尼僧やゴムチェンよりも、親が子供を殴ることに寛容で、離婚、売春、夫が妻を虐待することに寛容ではない。ゴムチェンは、僧侶や尼僧よりも、離婚、売春、夫が妻を殴ることにわずかに寛容である。
しかし、精神衛生に関しては、報告書によると、僧侶コミュニティの約91%が「正常な精神的健康」を経験している。約2%が「深刻な精神的苦痛」のカテゴリーに該当し、6.7%が「ある程度の苦痛」を抱えている。これは、瞑想に取り組んでいる人は、頻度に関係なく、より高いレベルの繁栄を経験する傾向があることと関連している可能性がある。
寄稿者
ヤンチェン・C・リンジ
ブータンおよびGNH研究センター