この冬に国の電力輸入が急増する

　ブータンは、今年12月から来年4月までの電力縮小期の約5か月間、インドから電力を輸入する必要があり、その費用は約60億ニュートラムかかる可能性がある。

　これまで、ドゥク・グリーン電力会社(DGPC) は 3ヵ月間のみ電力を輸入していた。国内需要の増加を考慮して、DGPC が昨年 4ヵ月間電力を輸入するなど、輸入圧力が高まって来ていた。

　2022 年 12 月から今年 3 月までに、DGPGは3億6,717万単位（KWH）の電力を輸入した。これは 17 億 5,000 万ニュートラムに相当する。

　エネルギー省、ブータン電力公社、ブータン電力システム運営会社、DGPC が実施した電力縮小期の国内需給シナリオの調査によると、2023年から2024年の5か月間はエネルギーを輸入する必要がある。

　電力セクターの高官によると、これは主に、複数の高電圧需要業者が稼働することで内需の大幅な増加が見込まれるためであるという。

　同高官は、５カ月間に15億台以上が輸入される見通しだと述べた。「インドのエネルギー取引所での電力価格にもよりますが、輸入コストは60億インドルピーを超えると推定されます」と当局者は述べた。

　5ヵ月間の輸入量は時には 800 MW を超えると予測されている。

　電力当局者らは、輸出関税は長期電力購入協定（PPA）に基づいており、輸入はインドのエネルギースポット市場から行われていると述べた。インドではエネルギー市場が台頭しつつある。「将来的には、エネルギー輸入価格がより同等になる可能性がある」

　一方、2023年12月末までに運転開始が予定されている118MWのニカチュ・プロジェクトによる発電容量が追加される予定である。

　しかし当局者は、ニカチュ・プロジェクトによる冬季の確実な電力容量追加は23MWとなり、プナサンチュ・IIプロジェクトではさらに164MW追加されると述べた。

　これら２つのプロジェクトによる堅調な発電は輸入の削減に貢献するが、冬季の赤字は続くため、輸入で補う必要がある。

　同当局者は、ブータンのエネルギー部門はエネルギー供給の選択肢の多様化に取り組んでいると述べた。太陽光発電は、冬の不足を補うためのより費用効果の高い解決策とみなされている。

　「今後数年間で約500MWの太陽光発電容量を開始し、設置する計画が進行中である」

デチェン・ドルカー