ブータンの森林被覆率は69.71%に減少

…炭素隔離能力は過去6年間で増加

　森林と公園管理局（DoFPS:Department of Forest and Park Services）とブータン生命基金事務局（Bhutan for Life Fund Secretariat）が昨日発表した第2回国家森林目録(NFI:National Forest Inventry)によると、ブータンの森林被覆率は2016年の71.13パーセントと比較して、2022年には69.71パーセントに減少した。

　エネルギー天然資源省（MoENR）の報告書によると、ブータンの炭素隔離容量(大気中の炭酸ガスを固体化する容量)は過去6年間で960万トンから1,100万トンに増加した。

　エネルギー天然資源省のロクナス・シャルマ大臣は、国際レンジャーズ・デーに合わせてこの報告書を発表した。 彼はまた、サルパン森林局に国際レンジャーズ賞を授与した。

　大臣は、ブータンは環境保護活動の世界的な擁護者とみなされており、レンジャーズは極めて重要な役割を果たしていると述べた。 「レンジャーズたちは自己の命と快適さを危険にさらして、生命の多様性を守るために働いています。この賞の授与は環境を自然のままに維持するための手段です」

　同氏は、「ブータンは急速に発展している国であり、多くの環境問題に関わりを持つことは避けることができず、レンジャーズは、開発と保全のバランスを確保する重要な立場にあります」と語った。

　これらの報告書の発表により、ブータンは環境資源の保全、森林の炭素乖離能力の増加、気候変動などの課題に取り組むための高い費用対効果の決定について、情報に基づいた意思決定と知識を得ることができるはずであると同氏は述べた。

　3つの重要なレポート、すなわち、森林状態レポート2023(SoF)、森林炭素状態レポート(SoFC)、森林被覆地図作成レポート(FoCM)等が昨日発表された。

　森林監視情報局の森林担当副主任であるキンリー・デム氏は、第2回国家森林目録(NFI)の発表はブータンの森林資源の状態の変化を監視し、第13次5ヵ年計画における森林面積と政策の確保と維持を指導するための定期的な訓練の一環であると、述べた。

　彼女は「ブータンは天然資源が乏しく、地形的および地勢的に厳しい状況のなかで、この目録(NFI)は、政策や政治介入を通じて森林のより良い計画と管理を行うために、特に森林の範囲、炭素隔離容量（炭素ストック）および炭素隔離容量の成長率、などを監視するための重要な活動です」と述べた。

　森林状態レポート2023では、森林残存量が7 億 5,900 万立方メートル増加していると報告されており、これは 2015 年の前回の国家森林目録(NFI)から20%減少している。

　同氏によると、報告書から得られるもう1つの重要な見解は、より小さい大きさの木の割合が増加しており、72パーセント以上の木が30センチメートル未満であると推定されているという。

　ブータンでは合計 10 億 800 万本の木が記録されており、5 億 2,300 万本の苗木がブータンで発見されていると推定されています。 木の数は2015年から26パーセント増加した。

　森林と公園管理局(DoFPS)の主任森林官であるドルジ・ワンディ氏は、ブータンの森林の二酸化炭素隔離容量は、2015年の推定960万トンから1,100万トンに増加したと述べた。

　同氏は、「SoFCレポートで報告された調査結果によれば、総炭素貯蔵量6億900万トンのうち、約5億2300万トンの炭素がブータンの森林生態系に貯蔵されている」と述べた。

　同氏によれば、森林と森林炭素報告の減少にもかかわらず、森林の隔離能容量が増加しているのは、基礎面積増加率の増加によるものであるという。 「森林における過去 5 年間の年間基本面積増加量の合計は、森林全体で 122 万平方メートルです」

　2021 年 7 月から 2022 年にかけて、231 人以上の職員が NFI の実施に関わった。データ分析は 2022 年から 2023 年にかけて行われた。現場スタッフは、国内の合計 2,424 の森林区画のうち 1,969 の森林区画を収集した。

　森林面積が最も大きいのはウォンデゥ地域で (258,969.43 ヘクタール) 、次にシェムガン (223,067.45 ヘクタール) が続くが、森林面積はチランが最も小さく (54,380.94 ヘクタール) である。

　国家森林目録(NFI) は、国家レベルでの森林資源の評価または分析のためのデータと情報の体系的な目録である。

　この報告書は、土壌植物&分析研究所（SPAL）、政府からの技術支援を受けた農業局国立土壌サービスセンター、ブータン・ライフ基金事務局と国連REDD準備提案プロジェクト等からの技術援助を受けて発行された。

YK・プーデル