ブータンは世界で18番目に汚職の少ない国に順位付けされた

昨日トランスペアレンシー・インターナショナル(Transparency International)が発表した報告書によると、ブータンは2024年の汚職認識指数(CPI:Corruption Perception Index)で2023年の26位から18位へと飛躍した。
ブータンは今年、100点満点中72点を獲得し、2019年から2023年にかけて68点に留まっていた停滞状態を打破した。
180カ国の中でブータンが世界ランキングで上昇したことによって、汚職との戦い、透明性の強化、説明責任の促進に向けたブータンの努力が注目された。
ブータン透明化推進の事務局長、リンジ・リンジ博士(PhD)は、2024年のCPIスコアを歴史的なものと評した。彼はこの成果は全国の主要機関の共同の努力によるものだと述べた。
「過去には市民社会運動組織(CSO)とメディアの自由が制限されていたため、CPIスコアは低かったかもしれない。しかし、現在は状況が改善しており、政府がメディアとCSOの両方を支援し続けることが重要である」と彼は述べた。
汚職防止委員会(ACC:Anti-Corruption Commission)や王立監査局(Royal Audit Authority)などの重要な機関は、この進歩を維持するために、さらにもっと仕事が出来るようにすべきであると彼は述べた。
CPI は、公共部門の汚職に関する主要な世界的指標であり、180 ヵ国と地域の年間比較スナップショットを提供する。2024 年の指数は、13 の外部ソースからのデータを使用して計算される。
CPI によって国と地域を公共部門の汚職認識レベルに基づいてランク付けを行う。結果は、0(非常に深く汚職に関わっている) から 100 (非常にクリーンである) の数値で示される。
ACC によると、ブータンのランキングの向上は、行政権力の乱用を抑制し、公共支出の透明性を促進し、メディア、市民社会運動組織(CSO)、民間部門に誠実さを促進する権限を与えるなどの取り組みを含む効果的な汚職防止戦略を反映している。
汚職防止委員会は、司法部門の能力を強化し、ビジネスの誠実さを改善し、汚職に強い気候行動を強化し、公共部門の説明責任に対する規制監視を強化するために、すべての関係者の継続的な協力を求めた。
ブータンの汚職防止の取り組みは、誠実さの審査、公務員の行動規範のモデル、公務員の生活習慣の監査、知性的な調査、先取優先の調査、法執行機関と規制機関の強化などの主要な介入に重点を置いている。ブータンはまた、説明責任と透明性の文化を育むために、若者、メディア、市民社会、民間部門の関与を重視している。
ブータンは、2017年の基準値67から2023年までにCPIスコアを69に改善することを目指していた。
2024年のCPIで最も汚職が少ない5か国は、デンマーク(90)、フィンランド(88)、シンガポール(84)、ニュージーランド(83)、ルクセンブルク(81)である。デンマークとフィンランドはトップの座を維持したが、シンガポールはニュージーランドを追い抜いて3位に躍進しました。ルクセンブルクは4つ順位を上げてトップ5に躍り出た。
一方、最も汚職がひどい国は、南スーダン(8位)、ソマリア(9位)、ベネズエラ(10位)、シリア(12位)、イエメン(13位)である。
南アジア地域では、ブータンが最も汚職の少ない国である。インドは96位、モルディブは96位、スリランカは121位、ネパールは107位、パキスタンは135位、バングラデシュは151位、アフガニスタンは165位である。
世界的に汚職との戦いは依然として困難である。2012年以降、汚職を大幅に削減したのはわずか32カ国で、148カ国は停滞または悪化している。世界平均スコアは43ポイントで、何年も変わっていない。3分の2以上の国が50ポイントを下回っている。
CPIについての報告によると、汚職によって命が奪われ、人権が損なわれている国には、何十億もの人々が住んでいる。報告書はまた、汚職が人類が現在直面している最大の課題の1つである気候変動と絡み合っていることも強調した。
「温室効果ガスの排出削減や脆弱な人口の保護を支援するための資金が盗まれたり悪用されたりして、世界中の膨大な数の人々が地球温暖化の深刻な影響に苦しんでいる」と報告書は述べている。
報告書はまた、CPIスコアが高い裕福な国々が汚職に強い気候変動対策を主導できていないと指摘した。むしろ、これらの国々は化石燃料会社の利益を優先し、環境犯罪や汚職から得た違法資金の安全な避難場所を提供していることが多い。