ブータンの伝統的なブーツを製造するブーツハウス

伝統的なブーツ作製を工芸として復活

アプーヴァ・ジョギ

何世紀にもわたり、伝統的なブータンのブーツはツォグラムとして知られ、文化と国民のアイデンティティの象徴であった。1990 年代後半までに、この古くからあった工芸品は徐々に姿を消しつつある。ある男性が、この伝統を保存するチャンスを見出した。

国内の数少ないブーツ職人の 1 人である 48 歳のジャンチュブラ氏を紹介する。

過去 23 年間、ジャンチュブラ氏はツォグラムの復活と近代化に人生を捧げてきた。現在、ジャンチュブラ氏はティンプーのほぼ中央のチュバチュ地区で、伝統的なブーツ・ハウス(製作所)を経営し、伝統的なブーツやさまざまな文化的な工芸品を製造している。

国内最高の伝統芸術学校である国立ゾリグ・チュスム研究所で絵画を学んでいたジャンチュブラの進路は、ツォグラム職人がほぼ消滅しつつあるのを見て転機を迎えた。

「当時、熟練したブーツ職人はほんの一握りしかいなかった」とジャンチュブラは語っている。「緊急事態を認識したリヨンポ・サンガイ・ンゲドゥプは、パロの熟練のブーツ職人、アプ・ワンディのもとで私が見習えるように手配してくれた」と述べた。

この研修で彼はブーツ作りの複雑さを知り、キャリアの基礎を築いた。知識を深めようと決意した彼は、インド西ベンガル州のビンナグリに赴き、地元の靴職人から新しい技術を学んだ。

2002年、ジャンチュブラは限られた資金と夢を持って伝統的なブーツ・ハウスを設立した。創業当初は苦労の連続だった。「裁縫機が数台しかなく、革と靴底の調達は難しく、費用もかかった」とジャンチュブラは語る。

困難にもかかわらず、彼の製造部門は質の高い職人技で評判を獲得し、事業は着実に成長した。

現在、伝統的なブーツ・ハウスは 13 人の従業員を雇用しており、その多くは国立美術専門学校美術専門研究所の卒業生である。ジャンチュブラ氏から直接指導を受けた従業員もいる。ジャンチュブラ氏は、実地経験こそが、この技術を未来の世代に残す最善の方法だと考えている。