ブータンとカナダ、AI政策と政治の強化で連携
シェラブ・ラモ
ブータンの人工知能(AI)政策と政治能力の強化を目的とした高いレベルのワークショップが本日、ティンプーで開始された。
最初の協議に続き、政策立案者、政府関係者、そして意見提案者が、公共サービス、倫理、サイバーセキュリティにおけるAIの役割を理解するための1日半の研修セッションが開始された。
「AIを通じた国境の橋渡し」取組みは、カナダ主導の地域計画であり、ハンバー工科大学およびソーシャル&メディア・マターズ(NPO法人)と連携して実施されている。
カナダのブータン駐在副大使マーク・アレン氏は、今回の協議は学びを共有する機会であると述べた。「これらの関係者協議が終わる頃には、世界は当初とは大きく変わっているでしょう」とアレン氏は述べた。
マーク・アレン氏は、カナダがAI開発における世界的リーダーとしての役割を認めつつ、ブータンのマインドフルネスと国民総幸福量(GNH)に関する視点は世界に独自の教訓を提供すると付け加えた。
彼は、テクノロジーが人間の幸福に役立つためには、伝統と現代性が融合する必要があると述べた。
研修では、AIの安全な導入、包括的なデジタル空間の促進、若者主導の技術革新の促進に焦点を当てている。マーク・アレン氏は、AIが公平な経済成長を支え、気候変動、健康、教育といった地球規模の課題への取り組みに貢献できるようにすることが共通の目標だと述べた。
AI安全の専門家であり、コントレイルズAI (カナダのAIソフト利用に関するコンサルタント企業)の共同創設者であるアミターブ氏は、ブータンは文化的背景と主権を維持しながら、このAIテクノロジーを導入する必要があると述べた。協議の中で、教育関係者やその責任者は、教育分野におけるAIを規制するための枠組みに対して、緊急の必要性を強調した。
参加者はデジタル技術の地域格差への懸念を表明し、遠隔地のコミュニティが取り残されないようにするためには、農村地域に焦点を当てることが不可欠であると強調した。
議論では、データセンターのエネルギー需要についても取り上げられた。持続可能な管理が行われなければ、国の電力網に負担をかける可能性がある。
協議ではさらに、市民を保護するための強力な安全規制の必要性についても検討された。参加者は、大規模言語モデルやその他のAIツールによって個人が誤解されたり、詐欺に遭ったりしないように、必要となる具体的な安全対策について議論した。
教育分野のAI専門家であり、ハンバー工科大学の教員でもあるアリ・オウェイド氏は、データの重要性とその影響を国家教育カリキュラムに直接組み込むことを推奨した。
オワイド氏はまた、カナダでの最高のAI適用例を紹介し、カナダがAIを移民、税制、医療にどのように統合しているかを説明した。オワイド氏によると、学校へのAI活用型教育ツールの導入は、明確な国家戦略と整合することで成功を収めているという。
協議で得られた提言は白書にまとめられ、3月中旬までにガブテックに提出される予定である。
ガブテックの担当者によると、この白書はカナダにおけるAIガバナンスの参考資料となるという。
ワークショップには、政府、民間セクター、教育機関から約40名の参加者が参加している。
同様の取組みは、バングラデシュ、ネパール、スリランカ、インドでも実施されている。
(訳者注)カナダのGovTech(ガブテック)とは、Government(政府・行政)とTechnology(技術)を組み合わせた言葉で、情報技術(IT)やデジタル技術を活用してカナダの公共サービスや行政業務を効率化・高度化し、住民の利便性を向上させるための取り組み全般を指している。
