何かと似ているところの多い、ブータンと福井。
どの辺が似ているのか、具体的にいろんな角度から、比較してみましょう。

農耕文化

比較項目 福井 ブータン
米どころ福井。コシヒカリやハナエチゼン。 赤米が主食。ただし調理法は「炊く」のではなく、茹でたあと湯を捨てる「湯取り法」。
稲作文化 赤米・紫米・黒米。これらは古代米とも呼ばれるが、いまでも福井県内で在来種を育てているところがある。 赤米は冷涼な所でも育つ。特に西ブータンで、標高2,400m付近まで。ブータンやシッキムで作られる米は、歴史的にチベットに向けてたくさん輸出されていた。
お酒 福井の銘酒いろいろ。 穀物の発酵酒であるお酒(チャン)は、米やシコクビエ、大麦、とうもろこしから作る。さらに、それを自家でも蒸留させて作る焼酎(アラ)がある。
そば 越前そば(今庄など県内各地で栽培され、そば打ちを楽しむ人も多く、全国的に有名)。 ブムタンなど冷涼で稲作はできないところで多く栽培される。
粉にして練って食べるか焼いてパンケーキ状のものを食べるが、体重をかける押し出し機で麺にしてスープに入れて食べることもある。
ひえ(シコクビエ) 白山の山麓など、山間部でのかつての「出づくり」ではひえ(シコクビエ)がたくさん作られていた。 ブータンではメンジャと呼ばれて酒作りに好まれるが、福井の山地部では酒を造るのではなく食べるのが主だったと聞く。
かぶ 旧美山町では焼畑で赤かぶを栽培、など。 かぶもブータンに古くからあった重要野菜。大きく育つダイコンは、西岡さんが導入された。
いも類、山芋、里芋 大野市、上庄の里芋など。 山芋等はブータン南部の山地部に多くあり、それに食料をかなり依存する地域もあった。
保存食 漬物、さばのへしこ、干し魚など。 野菜は乾燥野菜にして保存。肉も干し肉にして保存してきた。
 

工芸・衣・住

比較項目 福井 ブータン
漆器 鯖江市、河和田の漆器。 漆を塗った大小様々なの木の椀、容器。
紙漉き 旧今立町、五箇の手漉き和紙。 紙は仏教経典を印刷するためにチベットなどへ輸出された。
竹細工 竹と木の細工、越前竹人形など。 竹を編んだ背負いかご、弁当箱のバンチューなど。木桶も作られる。
陶芸 越前焼。旧宮崎村。 ブータンでも壺などをろくろで作って焼いている。
打刃物 武生の打刃物。 ブータン産の短刀(ギチュ。包丁や鉈として使用。)は、チベットでも有名であった。
織物 福井は織物王国。
(養蚕王国ではないが。)
絹は野生の繭から取ったものがあり、それを織った絹布(ブラ)はチベットに輸出されていた。白(黄色)のままで各種衣料にされたほか、ラック・カイガラムシから取った染料で赤く染めた布は、チベット仏教圏のお坊さんの法衣として好まれていた。
織物は東ブータンで盛ん。
着物 日本の和服も大陸起源と考えられる。 男の着物はチベット風。女は一枚布。
古くは貫頭衣。イラクサの繊維も使用。
伝統家屋 福井を含む北陸の伝統家屋はとても大きい。多世代居住。 ブータンの農家も建坪は大きく多世代居住。
ただし1階は家畜小屋、2階が住居、3階が穀物等の物置。
 

宗教

比較項目 福井 ブータン
山は神聖 白山を筆頭に、越知山、吉野が岳、文殊山、日野山など。 ヒマラヤの高峰は神々の座。有名なのはチョモラリ(女神の山)。最高峰は「白(雪)山三兄弟」(ガンカルプンスム)。
仏教 浄土真宗、真宗王国。
もし戦国期に本願寺勢力が天下を取っていたら日本も中世のブータンのようになっていたかも???
チベット仏教ドゥク派(南のドゥク派)を国教とする。
ブータンでは仏教から完全に独立した神道はないが、それは、神仏習合のあり方が日本と少し違っていただけ。ブータンではすべてのローカルな神は仏教の護法神として仏教のパンテオンに取り込まれた。
高僧 泰澄、道元、蓮如 パドマ・サンバヴァ(蓮華生)、ドゥクパ・キンレー、シャブドゥン・ンガワンナムゲル、ペマ・リンパ、パジョ・ドゥゴン・シクポなど。
 

歴史

比較項目 福井 ブータン
中央との関係 福井は京都・大阪に近く、歴史的に中央との関わりがたいへん深かった。 ブータンは中央・西チベット(中心はラサやシガツェ、ギャンツェ)に近く、中央・西チベットを中心に展開したチベット本土の歴史と関わりの深い歴史を持っている。
王権 福井は継体ゆかりの地。 ワンチュック家。
 

土地・気候

比較項目 福井 ブータン
気候 曇天・多雨。冬は雪。
南風が吹くとフェーン現象で暖かくなるが、この暖かさが北陸以北の夏の稲作にはプラスの効果を持つ。
ブータンはヒマラヤの中でも降水量が多い東部地域に属す。ただし、乾季と雨季の違いがあり、またブータン中央の谷々は比較的乾燥して、日射量は多くかつ降水量は少なめ。
夏のモンスーンは南風で、西ブータンの稲作限界高度が高いことにはそれが一種のフェーン現象を起こしていることも関係している。
地形 山地が多く、緑が豊富。福井県は約75%が森林。 ブータンは山ばかりの国。ブータンには福井のような広い沖積平野はほぼまったくない。
ブータンには熱帯から高山帯に至る多様な植生と深いジャングルがあり、国土の約73%が森林(高山の氷河面積などを除くと90%以上が森林)。
化石 自然史として、恐竜化石。 化石や考古学的遺物の調査はあまり進んでいない。
 

産業

比較項目 福井 ブータン
電源立地 原子力発電。関西への電力供給。 水力発電ダム。インドへ電力供給(輸出)。
小規模発電ダム
近代的工業 鯖江の眼鏡枠 ブータンでは近代的工業は未発達だが、手先の器用さはたとえば見事な仏画によくあらわれている。
 

民俗文化

比較項目 福井 ブータン
歌よみの文化 万葉の時代からの日本の歌文化。
橘曙覧の歌、丸岡の一筆啓上など。
伝統的な歌にはラブソングほか様々な歌がある。
農作業に伴う歌もあれば、万葉や平安朝の頃の日本を思わせるような男女の掛け合いの歌がある。
夜這いの慣習があったが、昼間には歌を交換した。
夫婦喧嘩も夫婦で歌を交換して仲直りをする、など。
農耕儀礼 豊作を祈願するお祭り、豊作に感謝するお祭りなど。 田植え時の一種の「どろんこ祭り」のような風習について、かつてJ.C.Whiteが記録を残したことがある。
農村における伝統的な新年の祭りは秋の収穫祭である。
 

海の文化と高山の文化(福井とブータンで大きく異なりながらも似る性格もある)

比較項目 福井 ブータン
景勝地 景勝地は山にもあるが、東尋坊や蘇洞門(そとも)、三方五湖など海沿いには多くある。 ヒマラヤの高峰群など高地には景勝地が多く、高僧の修行の地などの聖地も多くある。
生産の場と文化 日本海という大きな海の沿岸。
そこでの漁業文化と交易文化。
万年雪の高峰を仰ぐ高山地帯。
そこでの牧畜文化と交易文化。
産物 越前ガニ、さば、などの海の幸。 ヤクなどの高地の家畜から得る乳製品や肉などの畜産物。
交易文化 北前船など船の文化、船を通じた交易文化。 峠越えの交易文化。ヤクは「高原の舟」。
加工品・保存食 敦賀市のとろろこんぶなど。 高山帯で作られるバター,乾燥チーズなど。
 
free joomla templatesjoomla templates
2017  bhutanjoomla2   globbers joomla template