ブータンの文字

 

 ブータンの伝統的な文字文化はチベットからもたらされたもので、寺院にはチョェケー(「法語」,「経典語」)と呼ばれる古典チベット語で書かれた膨大な大蔵経が納められていますし,役所で記されるゾンカ語文書もチベット文字で書かれてきました。

 ブータンの公用語であるゾンカ語は,チベット語と同じ単語を多く含み,言語学的にもゾンカ語はチベット語の方言の一つ、ないしはチベット語から歴史的に大きな影響を受けた結果,チベット語にかなり似るに至った言語であるとみられています。

 20世紀後半に至ってブータンでは英語が公用語に取り入れられ,英語での教育が普及して英語による出版物も激増したことで,現在ではチベット文字で読み書きする古典チベット語やゾンカ語よりも,ローマ字で読み書きする英語のほうに慣れ親しんでいるブータン人の方が多くなってきています。役所の文書などでも英語のほうが今は主になっています。

 

   ゾンカ語で使われるチベット文字,その基本となる30の基字(字母)

 ここでの文字はウーチェンと呼ばれる経典や出版物に使われる「教科書体」ともいえる書体で書いており,参考までにその右にはその文字を転写したローマ字を書いています(事実上国際標準の転写方法となっているワイリー方式での転写です)。各文字のもつ音価については,右のローマ字から推測していただけると思います。

 上の文字だけでは、日本の50音でいう「ア」段の文字(ア、カ、サ、タ、ナ・・・)しかないと感じるかもしれませんが,「イ」~「オ」の段の音を表すには,これらの基字に付属記号をつけて表します。

例えば日本の50音の「か」行については次のようになります。

 この他にもさまざまな文字の書き方のルールがありますが、ここでは説明を省略します。また,ゾンカ語の書き方や発音にはチベット語のそれらとは異なるところもあります。

 

 いくつかのブータン語(ゾンカ語)の単語などを記すと、次のような感じになります。





 さて,ブータン語(ゾンカ語)では,チベット語ではあまりみられない短縮化した発音ととともに,

その短縮形での表記がみられることが一つの特徴です。次はその一例です。

 

(月原敏博)

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