環境保護活動家による気候変動に関するキャンペーン活動

2022年10月4日

ニマ・ウォンディ

  

 先月、40 歳のジャミャン・ジャムツォ・ワンチュクさんは、時には自転車を背負いながら、ルナナまでずっと歩いて辿り着いた。彼はペットボトルを集め、それをトルトルミ(注1)の氷河水で満たし、学校を訪れて気候変動の影響について話し合うときに生徒たちに見せた。

 俳優、映画製作者、環境保護活動家であるジャミャンさんは、ボトルはプラスチック汚染を表し、氷河水は溶ける氷河を表していると語った。 「ボトル全体が気候変動対策を象徴しています」

 彼は 9 月 1 日にペマガッツエル県から気候変動に関するキャンペーン活動を再開し、現在はタシガン県のサクテンにいる。彼は 9 月 2 日にタシヤンツェ県の前期中等学校(LSS)を訪れ、生徒たちに気候変動について講演し、学校の自然クラブのメンバーが昨年世界の指導者たちに宛てた手紙を集めた。

 「ペットボトルと一緒に、これらの手紙を運ぶ積りです」と彼は述べた。チームは、気候変動についての意識を高めるために、ブータンの国を超えて活動することを計画している。

 このキャンペーンは、ブータンの 15 の県(ペマガツェル、タシヤンツェ、タシガン、ルンツェ、モンガル、ブムタン、ジェムガン、トンサ、ワンデュ、プナカ、チュカ、ハー、パロ、ティンプー)を対象としている。ガサ県は既に回っている。

 資金の制約により、彼は 20 の県のすべてを回わることはできなかった。 彼はまた、いくつかの県の学校を訪問する許可を得ることが出来なかった。ジャミャンさんは、自然への愛がペマガツェル県から始まったので、ペマガツェル県からキャンペーン活動を始めたと言った。.

 「以前学んでいたペマガツェル中等学校(LSS)でジャンチュブシンの木(インド菩提樹)を植えることに参加しました」と彼は話した。

 彼はまた、タシガン県のカリンにあるジグメ・シェルブリン高等学校を訪問した。

 キャンペーン活動には、木を植えてその木の世話をする、再生可能エネルギーに利用する、学校のカリキュラムに気候研究を含めるという 3 つの重要なメッセージを伝える。これは彼が電気自動車を運転している理由でもある。

 「私たちは携帯電話で記録撮影している小さなチームです」と彼は話した。

 このプロジェクトは2030年まで続く。このキャンペーン活動を支援している企業団体は、以下の通り。

シャングリラ(ITメディア企業), ブータン銀行, 国家環境審議会、ブータン環境保護学会、ブータン国連開発計画, ブータン国家観光局、ペマの愛を込めた手工芸品、ワンゲル・スタジオ、スイス・ブータン学会、ドイツ・ブータンヒマラヤ学会、ブータンーオーストリアの友達、パロ FC(プロサッカーチーム)、ティンプー・マッスル・ファクトリー(健康・体育施設)、テンジン・スポーツ・コンプレックス、デジュン・ホンダ・モーターズ、クエンセル、ブータン・テレコム、ロイヤル・テキスタイル・アカデミー、iSpot(アップル関連商品販売)

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(注1) トルトルミ湖:ルナナ地方のすぐ北の高地に存在する氷河湖の一つである。近くにラフストレン湖やルグエッツォ湖などの氷河湖があり、いずれも氷河が融けて湖水のレベルが上がり、危険な湖である。特にトルトルミ湖は1994年に大規模な氷河湖決壊により、近くの村に洪水が発生して、人命が失われる大きな災害となったが、そこから南方に直線距離で約60 km 離れたプナカ・ゾンにも大きな被害が及んだ。

 

 

 

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