地方の生徒は、デジタル格差に陥っている

2021年 2月8日

790人は学校を中退し、91人は結婚した

ヤンチェン・C・リンジ

 ルナナ・ゲウォのラミナに住むレキ・ツェワン君と彼の3人の友人は、学校に行かずに2020年度を修了した。

 Covid-19によるパンデミックは、従来の教育を混乱させ、教育省に仮想学習に着手することを余儀なくさせ、地方の学生に多くの課題をもたらした。

 ガサのダムジ(Damji)にあるビジョン・セントラル・スクールの生徒は、国内で最も人里離れた村の1つから来ている。海抜3,400メートル以上の山々に囲まれたこの村には、電気、テレビ、道路がない。住民は特定の場所に登り、モバイル・ネットワークの信号をキャッチして世界と交信する。

 彼らは毎年寄宿学校に行くために数日歩くが、今年はそうではなかった。

 通常4月に開校する学校が、開校する前の3月に、政府はすべての学校に閉鎖を指示し、教育省は遠隔教育と遠隔学習の方法を採用した。

 10歳のレキ・ツェワン君と彼の3人の友人にとって、選択肢はなくなっていた。

 遠隔地を考えると、教員は彼らを訪ねて教えることができなかった。教員は自己学習資料(SIM)を送るように手配したが、資料を使用して教えるこれらの子供たちの教員がいなかった。ソーシャル・メディア・アプリケーションであるウィチャットが彼らの教室になった。

 レキ・ツェワン君は今年クラスIIで勉強し、クラスIIIとIXに学習に参加する彼の友人たちは、両親の電話を使ってウィチャットで勉強した。

 教員は音声メールと画像を介して学習内容を送信した。この地域のモバイル・ネットワークの電波の強度が不十分であることを考えると、特に夏には、それらに接続することが課題になった。

  「以前はモバイル・ネットワーク信号を検索していました。ネットワークがある場所ならどこでも、一緒に座って、ウィチャットを通じて教員と共有する課題を、ネット上で取り込んでいました」とレキ・ツェワン君は述べている。 「以前は宿題を済ませていましたが、ネットワークの問題でいつも提出が遅れていました」

 チウォク・ツォクパ(チウォク行政区の代表)であるノルブ・ツェリン氏によると、生徒はインターネットに接続するために1時間ほど歩くことがあるという。 「そのような場合、画像のダウンロードすることが問題でした」と彼は言った。 「生徒たちはダウンロードが完了するまで、寒さの中で辛抱強く待っていました」

 彼は、インターネットが機能しなかったとき、教員が電話で彼らに指示を与えたと付け加えた。

 レキ・ツェリン君は、4年生の後に学校を辞めた兄に学習の助けを求めることがあった。

 同様に、ルナナの南部のエスナ村の2人の生徒も学年を完了した。エスナ村はラミナ村から徒歩で2日以上のところであるが、地元の人々とラミナ村の数人の村人を除いて、誰もエスナへの行き方を知らない。そこではモバイル・ネットワークもない。教員は可能な限りの手段を試みたが、生徒に連絡することは不可能であった。

 都市部でオンライン教育にアクセスした生徒は、携帯電話、iPad、コンピューターまたはラップトップで教員から適切かつ継続的な指導を受けながら、「グーグル・クラスルーム」という遠隔教育のプログラムを通じて学習することができた。

 2020年は、教育省がパンデミックによって、デジタル教育および学習モデルを採用することを余儀なくされた年であった。

 政府は、クラスPP-VIIIの学年度を、eラーニングによって完了することを決定した。この過程で、この決定がデジタル・格差の問題を引き起こした。

 失われた授業時間を埋め合わせ、遠隔教育を実施するために、教育省は、学校の閉鎖中に生徒に勉強をさせるために、さまざまなテクノロジーを確保した。

 何人かの教員が広く遠隔教育を始めるために、自己の遠隔教育を発表した。教育省は「ブータンのeラーニング」として公開した。当初のアイデアは、全国テレビを通じて授業を提供することであった。教育省は400以上のビデオ学習を収録した。ラジオでも同時に放送された。

 しかし、ティンプーの多くの私立学校では、「グーグル・クラスルーム」が、既に実践されていた他の学校よりも進んで使われており、学校が閉鎖された直後に実際に使用された。

 教育省はまた、アプリ、テレビ、インターネットにアクセスできない学生を対象とする分かり易い期間の遠隔教育のプリント版であるSIMを考案した。その後、教育の緊急事態として、王立教育評議会は、適応カリキュラムと優先カリキュラムを開発した。優先カリキュラムは、政府がクラスIX-XIIを再開することを決定したときに実施された。

 e学習のみを有効にしようとする教育省はまた、タシセル(TashiCell)とブータン・テレコム会社による通常のインターネットパッケージに追加のデータを初期化して、eラーニングサイトのみへのアクセスを許可した。

 

学習におけるデジタル格差/アクセスと格差

 レキ君のように、ブータン各地の多くの生徒は、情報通信技術(ICT)または他の形式のデジタルツールへのアクセスの有無にかかわらず、オンライン教育を受け入れる必要があった。

 しかし、長期にわたる学校の閉鎖はデジタル格差を拡大し、学習機会に不公平を生み出した。多くの人が、遠隔学習は生徒をそれに引き付けることだけしか、効果がなかったと主張した。

 都市部の保護者からの限られた指導で、アクセスがあったとしても、農村部の子供たちは、遠隔教育SIMにアクセスするための、携帯電話、電子タブレット、ラジオ、テレビなどのデバイスがなくて、農地での保護者の手伝いに出ていた。 主にソーシャルメディアで、生徒が保護者に携帯電話の購入を迫る事件がいくつかあった。ヨビナン、ションプのゲウォの何人かの生徒は、近所のある場所でテレビ学習を見るために1km歩いて行った。

 約17,000人の生徒がテレビにアクセスできず、生徒に配布するために追加のSIMを印刷する必要があることを省が発見したとき、デジタルアクセスは問題であった。これらの子供たちは、社会経済的に不利な立場の親の元でいるか、インターネットアクセス、あるいは安定した接続が制限されている場所に住んでいた。

 デジタル格差としては、SIMによって学習する生徒と、オンラインでアクセスできる生徒がいた。評論家たちは、経済的に有利な生徒は、遠隔地の生徒よりも学習が進んでいることについて、皆一致していた。

 しかし、多くの人が集まり、経済的に恵まれない生徒を助けるために、電話やテレビを寄付したり、寄付金を集めたりしていた。教員たちはまた、特定された子供たちが携帯電話を手に入れるのを手伝うために集まった。

 「夫と私は働いており、息子と一緒にオンライン教育を受けるのは難しい」と公務員のデキさんは言った。 「私たちはほとんどあきらめようとしていて、息子には学年を留年させることにました」

 教員は、いくつかの試行にもかかわらず、一部の親はオンライン教育に応答し、課題や宿題で子供たちを支援することを気にしないことを共有しました。 「農村部の親は子供たちを助けることに無知でしたが、都市部の親は子供たちを導く時間がありませんでした」とティンプーの教員、ジグメ氏は言いった。

 別の教員、プナカのソナム氏は、携帯電話にアクセスできる子供たちは勉強していないと話しました。多くの場合、インターネットを介してアクセスされるさまざまなゲームに子供が中毒になっているという報告があった。 「子供たちが1回も宿題をしなかったケースは約3件ありました」

 私立学校の経営者は、政府がデジタル格差を埋めるために、無料のインターネットと電話の提供を急ぎ過ぎたと言った。 「サービスプロバイダーが午後1時以降に無制限のインターネットを提供したため、子供たちは夜遅くまでゲームをしていた」

 都市部と農村部の両方で携帯電話のような十分なデバイスがないことは、1人または2人以上の子供を持つ親にとって別の問題になった。 「私の2人の子供は交代で勉強しました。そのためにお金が高くついて、不便でした」とシングルマザーのペマ・チェンゾムさんは言った。

 適切なインターネット接続ができないため、一部の教員は教材を自分たちの手に受け取り、モバイル教育を自分たちで行った。多くの遠隔地の学校の教員は、SIMの教材を手に入れるために何日も歩き、学習を行うために、インストラクターを連れて行った。

 一部の卒業生は、近所でSIMを使用して指導することを、ボランティアとして行った。一部の保護者は、モバイルを勉強している学生や教員に使わせた。たとえば、プナカのタロのタクシー運転手は、教員とラプサカの校長に無料の乗り物を提供した。

 

緊張は多くを中退に導く

 学校は何ヶ月も閉鎖されたままであったので、一部の学生は、IX-XIIのクラスが再開された後に戻ってこなかった。多くの教員は、学習へのアクセスがなく、長い間、家にいることができなければ、学生は教育への興味を失うことになったと話した。留年をしたいと思った生徒もいた。

 教育省は、学校を中退した約790人の学生(女性343人、男性447人)を確認した。 472人の学生が家庭や健康上の理由で退学した。 合計120人が留年を希望した。

 90人以上の学生が結婚し、49人が仕事を見つけ、37人が僧侶または尼僧になり、21人が軍に加わった。

 学校が閉鎖されている間、在宅中に学業上の懸念、ストレス、緊張、その他の問題を表明し、多くの学生は青少年スポーツ課が開始したシェリグ・カウンセリングのサービスを利用した。

 キャリア教育・カウンセリング部門は、2020年12月時点で約2,324件の事例を受け取った。教育省のオンラインの報告によると、カウンセリングを求める発信者の半数以上が学生(女性1,097人、男性1,037人)であった。

 学生たちは、試験に失敗したり、オンライン教育に対処できないことなどを、心配していると述べた。

 

2021年に格差を埋める?

 今年の教育部門におけるICTの開発を推進する力の1つは、教室での教育と学習をデジタル化するためのデジタル教育の主力プログラムである。 学校はクラスIX-XIIにおけるICT科目を開始した。

 デジタル・ドゥキュル(第12次5ヵ年開発計画の柱となる国のあらゆる活動におけるデジタル化を大きく発展させる計画)の主力プログラムは、「現代の」教育システムへの推進を補完する可能性がある。

 教育省はすでに、教育のデジタル格差を埋めるために、学習管理システム(LMS)に取り組んでいる。 LMSはeラーニングの基盤であり、すべての主題のコンテンツが含まれる。それは 仮想指導(virtual teaching)にあたる。

 政府はまた、国内の各学生、主にレキ・ツェワン君のような農村地域の学生にタブレットを支給する方法を模索している。

 政府はパンデミックの際に教員と教育省がとったあらゆる取組みを支援してきたが、国がICTに基づいて構築されない限り、タブレットを提供してもデジタル格差に対処できない可能性があるとの疑念もある。

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